ここでは相見積もりの必要性について書いてみたいと思います。
相見積りはそもそも必要でしょうか?
今まで同じ塗装店で塗りかえをされていて
「自分はこの塗装店を信用してるから相見積もりは必要ない。」
という方は、相見積もりの必要性はないのかなと思います。
しかし、色々話を聞くとそういう方ばかりではなく、すごく高い金額で『工事と金額のバランスがとれていない』工事をしてしまったという話も出てきます。
そんな話を聞くと、すごく残念な気持ちになるんですが、終わった工事に関しては自分達には何も出来ません。
確かに無駄なお金を払ってしまった事に間違いないんですが、横やりをいれても何も解決出来ません。
ですが、そういった事態を出来るだけ避けるために
『とりあえず相見積もり』の考えは皆さん持っていて欲しい所です。
そもそも相見積もりをするという事にはどういうメリットがあるんでしょうか。
第一段階として
■明らかに金額の違いがある業者をはじく事が出来る。
上にも書いていますが、『明らかにおかしい金額』で見積りを提出してくる心無い業者も中にはいます。
しかし、実際に1社の見積りしか見ていない場合
「ちょっと高いけど、まぁこんなものなのかな」
と思いこんで、そのまま工事をしてしまう事があります。
これを防ぐために相見積りをとり、第一段階としてそういう業者をふるい落とす事が出来ます。
第二段階として
■信頼出来る工事をしてくれる塗装店かどうかを判断出来る。
塗装工事って、その工事の金額の妥当性って、どこにあるんでしょうか。
塗装工事の金額を作っているものはなんでしょうか。
塗りかえ工事では『人工費』『材料代』『利益』『足場代』の合計金額が=『工事金額』です。
屋根・外壁・付帯塗装の30坪の住宅で、普通のシリコン樹脂塗料での工事金額が『100万円』だとした場合
『人工費35万』+『材料代15万』『利益35万』『足場代15万』
くらいでしょうかね。
『利益』は、見積もりに裂く時間、説明に出向く時間、養生費用、トラックの維持費なども含まれているので、実際そんなに残らんですけどね。
こうやって見ると塗装工事って意外に『材料費の占める割合』が少ないんですねぇ。
塗装店は塗料を売っている訳ではないんです。『塗料』を『塗装』という商品にして売っています。
じゃあ『塗装』を形作っているのはなんでしょうか。
僕が思うに、それは『塗装店の技術とその心』だと思います。
どれだけ現場に対して強い思いを持っているか。どれだけ綺麗にしようと思う心があるか。だと思います。
塗装店の全員が良い塗装心もっていれば多分そこは良い塗装店ですね。
実はそれは見積りの段階で確認する事が出来て、『見積もりや見積り提出にきた担当の人間が、工事が終わるまでしっかり現場に来てくれるかどうか』で大体分かります。
担当の人に『あなたは工事期間の間にどれくらい現場にきてくれますか?』と聞くと大体の事は分かるんじゃないでしょうか。
■金額の『高い』『安い』で、『自分の求める塗りかえ工事の質』を確認する事が出来る。
普通の塗装店の中にも、金額の『高い』『安い』塗装店が出てくると思います。
一般の方ではその『金額による仕事の質の差』は判断しづらいと思います。
そこで、その見積りを提出した塗装店の中で、一番信頼出来そうな『見積りに来た人』『見積りを提出しに来た人』がいる会社にまずは説明を聞くのがいいんじゃないでしょうか。
塗装店からすると、説明をした後にまた他の塗装店と比較されるんで『面倒なお客さんだな(笑)』と思うかも知れませんが、まずは一番信用出来そうな好印象を持った人に説明を受けて下さい。
○その会社を基準に、他の塗装店を見比べてみましょう。
なかには、書いてある内容はほとんど同じなのに、金額に結構差がある事があります。
これはどちらが『正しい』か『間違ってるか』とは一概に言えません。
同じシリコン樹脂塗料でもグレードによって塗料の値段にもにかなり差がありますし、工事の内容でも金額はガラッと変わってきます。
それは『とにかく質の良い工事』を塗装店もあるし、『最低限の工事』をする塗装店もあるからです。
信頼出来る塗装店かどうかだけを判断するなら、話を聞いている中で『相手の人』を見ていれば大体分かるはずです。
そしてその中で、『自分が求める塗りかえ工事の金額と質のバランス』の塗装店を見つけて下さい。
工事が決まった場合
■お客さん自身が塗装店の事を信頼して工事を頼む事が大事です。
『人は鏡』といいますが、『この人に頼もう』と決めたら、とにかくその塗装店の事を信用して下さい。
お客さんが不信感を持っているとお互いに不信感を持つようになり、良い工事は絶対に出来ません。
お互いがお互いを100%信頼した上で工事を行って下さい。
これはあくまでお願いですが、あまり無茶な値引き交渉はご遠慮願います。
塗装店同士で値下げ競争が始まった場合、絶対良い工事にはなりません。
そして地域全体で値下げ競争が始まりだすと、すごく悪い方向に向かってしまいます。
この流れに巻き込まれる方も巻き込まれる方ですが『しょせんペンキ屋でしょ?』みたいに思われたくありませんから。
出来れば誰からも尊敬される職業にしたいですね。
ちなみに、当店の場合
若干のお値引きは出来ますが、その金額にはその金額なりの根拠があります。
あまり無茶な値引き交渉の場合、他の塗装店での工事をお勧めする事もあります。
そして相見積りの考えが一般的になってくると、塗装店にとってもメリットがあります。
■全体的な塗装店の『仕事の質と金額のバランス』の差を減らす事が出来る。
お客さん自体が『塗装工事を作っているもの』を理解し、皆が相見積りを取り出すようになると塗装店にも少なからず変化があると思います。
それは他の塗装店と『仕事の質と金額のバランス』を合わせようとする事です。
自分も『相見積り』と聞くとピリピリします。
ですが、『他の塗装店に自分の施工内容と金額を知られる事』は実は大事な事だと思います。
それは、他の塗装店を知ることによって塗装店同士での擦り寄せが行われ、『仕事の質と金額のバランス』の幅が少なくなるんじゃないかなと勝手に思っているからです。
こういう事で悪徳業者が減れば良いのですが。。
でも逆に全員が『良い仕事をする塗装店』になると僕は生き残れないかも知れませんね(笑)
本当はそれが一番なんですけどね。
ありがとうございました。
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