愛媛県西条市・新居浜市の屋根塗装・外壁塗装専門店の本田塗装です。
今回は、愛媛県西条市で屋根塗装・外壁塗装をご依頼いただきましたお客様の施工事例となります。
過去に塗装工事をさせていただいたお客様からのご紹介です。
他社と相見積をなされて、当店にご依頼いただきました。
M様邸
今回の工事では屋根塗装・縦目地・脆弱部のシーリング打替え・外壁塗装・付帯物・ベランダ床面の塗装を行いました。
屋根:乾式コンクリート瓦/モニエルF型
外壁:窯業系サイディングボード
使用塗料は
屋根:SK化研 ヤネフレッシュSi
外壁:水谷ペイント ナノコンポジットW
付帯部:スズカファイン ワイドエポーレSi
シリコングレードの塗料を使用して塗り替えを行いました。
初めてのメンテナンス工事です。
では、事前調査での状況から見ていきましょう。
※プライバシーに配慮して画像の選定をしています。
屋根は経年により、屋根材表面の着色スラリー層が劣化しています。
屋根材は乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)という種類で、塗膜剥離のリスクが高い屋根材です。
アップで見ると屋根表面が劣化しているのが良く分かります。
外壁は窯業系サイディングボードです。
一般的に良く使用される外壁材で、工場で塗装された製品が使用されます。
若干の退色が見られるものの、比較的軽度な劣化具合です。
縦目地の状況です。
経年により劣化しています。
縦目地のアップです。
ひび割れが発生してます。
更にアップです。
内部に青色が見えるかと思いますが、シーリングが裂けた事でハットジョイナーという金具が見えています。
足元に予備の屋根材がありました。
裏面を確認するとモニエル瓦と記載があります。
この屋根材は現在製造していませんので、注文する事が出来ません。
予備の平瓦があるので少し安心できます。
では、ここから施工内容に移っていきたいと思います。
まず足場を設置しまして、飛散防止シートを貼り付けた状態です。
足場の組み立てに関して、当店では足場屋さんにお願いしています。
まず屋根の点検を行いましたが、割れている屋根材がありました。
予備瓦を使用して交換を行います。(予備瓦があって良かった)
高圧洗浄前にシーリングの打替えを行いますので、障害になる雨樋の準備からです。
足元から一定の高さで切断し、継ぎ手を取り付けます。
戻すとこういう感じ。
雨樋切断する施工は自分以外で見た事ありませんが、皆さんどうやって雨樋の真裏のシーリング撤去しているんでしょうか。
さて、準備が出来たらシーリング撤去を行います。
電動工具を使用して既存シーリングを撤去します。
外壁材にもよりますが、電動工具を使用すると外壁を傷つけずに簡単に撤去する事が出来ます。
事前調査の際にシーリング亀裂から見えていた青色の正体はこれです。
ハットジョイナーという金具にに貼り付けられた、ボンドブレーカーというテープです。
3面接着防止の為貼られていますが、撤去の際この様に外れてしまいますので、こちらも剥がしてしまいます。
シーリングを撤去した後、ボード小口に残ったシーリングをカッターナイフで削り取ります。
シーリングの密着性を確保する為に必要なので、しっかり取ります。
小口清掃前
小口清掃後
シーリングを打込んだら分からなくなりますが、残さない様にしっかり取ります。
その後、テープ養生を行います。
シール養生の紙テープは、引き出しが軽いのでカモ井の246Sを使用する事が多いです。
18mm幅をメインで使用していますが、ALCボードや目地が広い場合などは21mmを使用する事もあります。
テープ養生後、専用のプライマーを塗布します。
小口にしっかり塗布する事で、シーリングの密着性が高まります。
プライマー塗布後、3面接着防止の為、新しくボンドブレーカーを貼り付けます。
これを取り付けない場合3面接着状態となりますので、目地底にシーリングが接着され、建物の動きにうまく追従出来ません。
また、次回シーリング撤去が困難となりますので、撤去に追加費用が発生する可能性もあります。
終わってしまうと分からなくなる部分ですので、シーリング打ち替えの際はちゃんと取り付けているかチェックして下さい。
準備が整ったらシーリングを充填・ヘラで均し作業を行います。
使用材料はオート化学のオートンサイディングシーラントです。
ロスネタ(ロス=余ったネタ=材料)を溜める大きなヘラと、目地押さえ用に均しバッカー(スポンジ表面にゴム張りされた物)と金ヘラを使用して、均していきます。
最近は、アメゴムという耐久性が高い素材が使われているバッカーも出てきて、シーリングに傷が付きにくいので私はそれを使用する事が多くなってきました。
話が少しそれましたが、シーリング内部に気泡が出来ない様に充填・均しを行い完了です。
外壁色の近似色を選定し、打ち込みを行っています。
こちらのお家は南向きにFRP防水のベランダがあり、今回塗装を行いましたので高圧洗浄前に表面をサンディング(研磨し、パラフィン除去を行う目的)しておきます。
高圧洗浄前の作業が完了したら、いよいよ洗浄開始です。
屋根を洗浄する時に汚れた水が飛び散りますので、周りの迷惑にならない様に飛散養生を行い、洗浄を始めます。
洗浄中の状況です。
劣化した屋根材表面の着色スラリー層を高圧洗浄で綺麗に除去します。
こちらのお家で使用されている屋根材はモニエル瓦という製品ですが、乾式コンクリート瓦というカテゴリに分類されます。
コンクリート瓦の表面に、着色粘土層が加工された製品なのですが、紫外線や雨水の影響で表面の加工が風化します。
風化した粘土層を綺麗に洗い流さないと早期に塗膜剥離が発生します。
とにかくしっかり洗浄する必要があります。
モニエル瓦の詳しい説明は瓦別塗りかえ手順書(モニエル編)または瓦別塗りかえ手順書(モニエル再塗装編)にありますので、もっと深掘りしたい方はこちらをどうぞ!
ヘドロのような粘土層が綺麗に洗い流されています。
これが周りに飛び散りますので、洗浄前に飛散養生必須ですね。
屋根が洗えましたら、続いて外壁です。
外壁はもちろんですが、窓サッシ・網戸・付帯物等も綺麗に洗浄します。
足元にはモニエル瓦のヘドロや経年の汚れが堆積していますので、こちらもしっかり綺麗にしていきます。
屋根洗浄後の状況です。
表面の粘土層が無くなって白っぽくなりました。
しっかり乾かして屋根の塗装を行っていきましょう。
屋根の塗料が周りに飛び散らないよう飛散養生を行い、屋根の塗装を行います。
まずは下塗りを行います。
屋根にたっぷりと吸い込ませて、塗膜剥離が起こらない様にしていきます。
ローラーと刷毛を用いて塗装を行います。
下塗りした後にこういう状態になれば問題ありません。
使用した塗料は、SK化研のマイルドシーラーEPOです。
一応モニエル推奨塗料という物もありますが(同業者にも聞かれますが)しっかり高圧洗浄を行っていれば推奨塗料以外でも剥がれたりしません。
むしろ塗膜剥離のほとんどの理由は洗浄不足です。とにかくしっかり高圧洗浄しましょう。
推奨塗料で有名なのはオリエンタル塗料のマイティシリコンでしょうか。
下塗り無しの2回塗りで仕上がるのが売りの塗料ですが、マイティは3回塗らないと仕上がらないと感じるので当店では使用していません。
オリエンタルさんは釉薬瓦やいぶし瓦用の塗料も製造している素晴らしい塗料メーカーなんですけどね。
さて、下塗りが乾燥しましたら、上塗り1回目の塗装を行います。
使用した塗料はSK化研のヤネフレッシュSiスレートブラック色です。
上塗り1回目は特に時間がかかりますが、下地に食いつかせながら塗り残しに注意して作業を行っていきます。
屋根上塗り1回目塗装後の状況です。
いい感じに仕上がってきています。
塗料乾燥後、上塗り1回目の塗り残しを刷毛でタッチアップしまして・・
屋根塗装の上塗り2回目の塗布を行います。
塗料が垂れない様に注意しながら確実に仕上げていきます。
やはり上塗りを2回塗ると綺麗になります。
屋根塗装から数日経った状態。
綺麗に仕上がりました。
お次は外壁塗装の施工に移っていきます。
まずは錆止めです。
塗装する鉄部を下地調整し、錆止め塗料を塗布していきます。
密着性の高いエポキシ系の錆止め塗料ですので、防錆力を高めながら下地と密着します。
下塗りで使用する錆止め塗料の樹脂は耐水性・耐薬品性・密着性に優れ膜厚も確保出来て、もの凄く優秀な樹脂です。
紫外線には弱いので、殆どの場合上塗り塗料で保護するようになります。
塗料の革命児のような、大変素晴らしい彼は表舞台には立たないけれど陰ながらちゃんと良い仕事をしてくれています。
外壁塗装の際にエアコンダクトカバー(私は化粧カバーと呼びます)を取り外しているのですが、室内外の貫通部付近にシリコンシーラントが使用されていました。
雨漏り防止の為です。
そのまま通常の塗料を塗装しても塗料が弾かれてしまいますので、脱脂・専用塗料による対策を行います。
その部分だけでなく、周辺も雨水などで成分が溶け広がっていますので、広めに塗布しておきます。
下地調整、養生作業が完了すれば下塗りです。
ローラーと刷毛を用いて下塗り材を塗布していきます。
使用した塗料は水谷ペイントのナノコンポジットシーラーⅡです。
密着性を上げる為、天井も一緒に塗ってしまいます。
下塗り乾燥後、軒天井の上塗り1回目の塗布を行います。
使用した塗料はスズカファインの水性モルコンです。
艶消し塗料で、落ち着いた仕上がりとなります。
日本ペイントのケンエースと同等品です。
1回目乾燥後、上塗り2回目を行います。
仕上がりです。
落ち着いた綺麗な仕上がりとなりました。
続いては外壁の上塗りを行っていきます。
刷毛とローラーを用いて上塗り塗料1回目の塗布を行います。
外壁塗装に使用した塗料は水谷ペイントナノコンポジットWです。
この塗料は水性シリコン樹脂塗料で、艶の無い仕上がりとなります。
汚れにくく耐候性も高いので、当店ではよく使用しています。
お客様に、「水性塗料って油性より弱いですか?」と聞かれる事が多いのですが、最近外壁塗料は水性塗料に変わってきています。
性能はあまり変わらない・そもそも水性塗料しか販売されていない場合もあります。
水性塗料の売れ行きが良かったら後から油性が発売されるケースもあります。
油性塗料自体も強溶剤系から弱溶剤系に置き換わっていますので、昔ほど瞬間的な臭気は激しくないのですが、それでもシンナー臭がありますのでやはり外壁は水性塗料が用いられる事が多いです。
という事で、上塗り1回目塗布後の状況です。
艶の無い塗上がりです。
インターバルを空け、上塗り塗料をもう一度塗布します。
外壁をナノコンポジットWで上塗り2回目塗装中の状況です。
上塗り塗料を2度塗布する事で、塗り残し防止・膜厚確保が出来ます。
特に膜厚は塗料の寿命にかかわりますので、既定塗布量が確保出来ているか計算しながら塗布を行っていきます。
こちらもナノコンポジット上塗り2回目の状況です。
こちらのお家は雨戸に鏡板(アルミ枠に固定された雨戸)が付いていました。
雨戸塗装の為に取り外し、収納部の外壁も同様に塗装しています。
外壁の上塗り塗装完了です。
艶消し塗料ですが、きちんと膜厚確保した状態で仕上げると若干の艶感があります。
1~2分艶位でしょうか。
この艶感になれば最高の仕上がりです。
しっとりとした仕上がりで、シリコングレードの中でも性能が良い製品です。
軒天井との質感の違いも美しいです。
外壁が完了しましたら、付帯物の塗装に取り掛かります。
まずは下地調整です。
鼻隠し板のシーリング打ち替え・高圧洗浄による清掃まで終わった状態で外壁塗装を行いました。
付帯物塗装前に、雨樋・鼻隠し板の目荒らし、清掃を行います。
下地調整後、鼻隠し板の刷毛取りを行います。
瓦の裏側に付けないように、雨樋の間を塗り残しの無いように塗布します。
雨樋も下地調整後、上塗り塗料を塗布していきます。
使用している塗料は、スズカファインのワイドエポーレSiです。
このワイドエポーレSiという塗料は2液タイプの弱溶剤系シリコン樹脂塗料です。
A液B液を混合し使用する、塗料用シンナーで希釈するシリコングレードの塗料という意味です。
2液タイプの塗料は時間が経過すると反応硬化します。
計量する時間・材料のロスが出るのが欠点ですが、カッチリ固まり塗り重ね性が高く、性能も高い場合が多いので当店では2液タイプを良く使用しています。
施工金額は当店と他社と比較してもあまり変わらないと思いますが、塗料価格は同じ塗料メーカー内の弱溶剤系シリコン塗料と比較してもかなりお高めな製品を使用しています。
続いて、鼻隠しの上塗り1回目の状況です。
雨樋と鼻隠しの隙間が狭いので、それにあったローラーを用いて塗布を行います。
上塗り1回目の乾燥・硬化後、再び刷毛取り、ローラーでの塗布を行います。
塗りにくい部分もしっかり2回塗りで仕上げます。
上塗り2回目の状況です。
綺麗に仕上がりました。
鼻隠しの隙間も塗り残しなく綺麗に仕上がりました。
雨樋側(雨樋裏面)も仕上げています。
雨樋上塗り2回目中の状況と、鼻隠し板の軒天井取り合い部のライン出しです。
ここを軒天井の色で仕上げる人が多く、その方が時間もかからず技術もいりませんが、私は極力分けるようにしています。
お客様は気が付かない部分かもしれませんね。
雨樋(竪樋)も目荒らし・清掃後、上塗り塗料を塗布します。
同様にワイドエポーレSiを使用しています。
上塗り1回目乾燥・硬化後、上塗り2回目の塗布を行います。
1液タイプだとどうしても再溶解してしまい塗りにくいですが、2液タイプだとカッチリ固まっていますので2回の塗布で膜厚が確保しやすいです。
仕上がりです。
つやつやの仕上がりになりました。
軒樋の仕上がり状況です。
艶の無い外壁との対比が綺麗に仕上がりました。
錆止めを塗布していた出窓の屋根部分も、上塗り塗料を2度塗布して仕上げました。
ベランダ手摺り笠木はアルミ製ですが、退色していましたので再塗装を行いました。
綺麗に仕上がっていると思います。
手摺り笠木などは特に手が触れる部分ですので、ブツ感のない仕上げになる様に注意しています。
手摺りがザラザラしていると嫌ですよね。
鋳物のベランダ部分も再塗装を行いました。
外壁塗装の際はベランダ床材も取り外して塗装しましたので、塗り残りの無い仕上がりです。
エアコン化粧カバーは、外壁塗装時に取り外して清掃しています。
このようにバラバラの状態で仕上げ・取り付ける事で、エアコン交換の時に塗料で引っ付いて取れない事がありません。
取り付け後の状況です。
取り付けのビスは錆びていましたので、ステンレス製の物と交換しました。
エアコンパテやダクトホースが劣化している場合は復旧時に交換を行いました。
続いては雨戸塗装の施工です。
紫外線により白化している状態ですので、脆弱化した塗膜を除去しつつ表面の研磨を行います。
研磨後、水道水とブラシを使って裏も表もレール部分も綺麗にします。
洗うとかなり綺麗になりますが、乾燥させなければいけないので手間がかかります(^-^;
乾燥後、雨戸の養生・塗装ブースの作成を行いまして、HVLP塗装機で吹き付け仕上げを行います。
HVLP塗装機・・・低圧温風塗装ともいいますが、塗着効率が良いので周りに飛び散りにくい吹き付け用の塗装道具となります。
飛散は少ないのですが、当店の場合周囲への飛散の考慮とブツの付着防止の為に塗装ブース内で仕上げます。
仕上がりです。
手で触ってもつるつるすべすべの仕上がりです。
入念な下地調整と、吹き付けによる仕上げのどちらが欠けてもこの仕上がりにはなりません。
復旧すれば完了です。
こちらも復旧後の状況です。
綺麗に仕上がっています。
続いてはベランダ床面です。
こちらのお家はベランダ防水にFRP防水が施工されています。
内部の防水層をトップコートで保護していますが、紫外線により・歩行による摩耗で塗膜が劣化します。
洗浄前にサンディング(表面研磨)まで行っていますので、外壁塗装後は脱脂から行います。
脱脂後、専用のプライマーを塗布し・・
トップコートを塗布します。
次回改修時も問題が起きにくい、強溶剤系のトップコートを使用しました。
最近、下地調整なしで塗れる水性のトップコートがありますが、当店の場合臭いや工期の問題がなければ強溶剤系のトップコートで再塗装します。
個別の施工内容は以上となり、全体的に仕上がりました。
しっとりとした外壁に、キラッと光る雨樋の対比が美しく仕上がりました。
・・・それから6年が経過し、現在の状態です。
現在まだまだ綺麗な状態を維持してくれています。
6年経過してもあまり変化がない塗料というのは優秀だなと感じます。
シーリングと塗料の相性も問題ないようです。
このまま美観を維持してくれれば嬉しいですね。
私たちの仕事というのは、施工が本当に正しかったのか、年数が経ってみないと分かりません。
ですので、持てる技術の全て発揮してそのお家に臨む事で、これから先に繋げていく事が出来ます。
仮に少し手を抜いて作業をした所で、どれくらい手を抜いたから経年でどれくらい悪くなったという比較は出来ません。
そんな事なら私が作業する意味もないと思います。
時間の経過でしか真価が分からない仕事からこそ、日々の作業の積み重ねを大切に
年数が経ってからも、頼んでよかったと思っていただけるようにこれからも努力していきたいと思います。
この度はご依頼いただきまして、誠にありがとうございました。
愛媛県西条市・新居浜市で屋根塗装・外壁塗装をお考えの方は、ぜひ本田塗装にご用命ください。