ご依頼から工事完了まで
ここでは工事のご依頼から工事完了までの流れを書いていきたいと思います。
工事の流れが分からなくて心配な方は参考にされてみて下さい。
なお、ここまでの流れは見積りについてに書いてありますので、まずはそちらからご覧ください。
■「ここ!!」という塗装店を見つけたらその塗装店にご連絡下さい。
仕事依頼の連絡があった塗装店は「いついつにお伺いします。」と、時間を調整して後日お伺いする事になります。
塗装店によって多少違いはあるでしょうが、その時に材料のカタログや色見調をお渡しする事になるかと思います。
工事の時期などもこの時の打合せで決まります。
色の選定のアドバイスや、施工内容や注意点の説明があるので、じっくり話し合い、その中でお家に合う色を検討されて下さい。
■色や施工内容の打合せが決定したらいよいよ工事開始です。
色や細かい施工内容が決まったら「いついつから工事を始めたいと思いますがよろしいですか?」と確認があると思います。
それでお互いの都合が合えば工事の日程が決まります。
工事の時期が近づいてくると「予定通り○○日から工事を始めさせてもらいます。」と連絡があるので、不都合が無ければ後は工事が始まるのを待つばかりです。
・ここからは当店での工事の進め方について書いていきます。
他の塗装店とは違う点もあると思うので参考までにとどめておいて下さい。
■塗装工事に向けて、事前準備を行います。
足場工事の日程が決まったら、その何日か前にご近所の方へ工事のお断りと挨拶をして回ります。
塗装工事では『足場組立工事』『高圧洗浄工事』『足場解体工事』等の、埃が舞ったり騒音でご迷惑をかける作業が含まれています。
いくらお互いさまとはいえ、一応マナーとしてお断りと挨拶をしておくのが工事完了後、ご近所関係を崩さない為には必要だと思います。
それに僕たち塗装店も、気持ち良く作業したいですからね(^-^)
依頼者の方自身もご近所の方に挨拶して頂くとより円滑な工事が行えます。
そして足場組立の近日に足場工事の邪魔になる物の撤去・取り外しを行います。
足元の物を移動したり、駐車場のアクリル板・波板などの撤去・取り外しを行って足場工事に備えます。
■足場の組立工事です。
足場の組立工事を足場屋さんが行います。
この日は足場の部材で道路が切迫したり、埃が舞い上がってしまいます。また足場を組み立てる時には大きな騒音が出ますのでご了承ください。
鳶さんの人数にもよりますが、普通のお宅(35坪・屋根足場無し)で大体半日前後で組上がります。
■下地処理を行います。
足場組立が終わった次の日から下地処理を行います。
サイディングボードの外壁で、シーリングの打ち替えがある住宅 → シーリングの打ち替え工事。
モルタルの外壁で、大きなクラックが入っている住宅 → クラック補修工事。
などの作業を行い、高圧洗浄をする事によって内部に水が入る恐れのある所を補修しておきます。
■高圧洗浄・メッシュシート張り付け。
シーリングを打ち替えした住宅ではシーリングを乾燥させる為に一日乾燥期間を置きます。
一日乾燥期間を置いて、後日足場にメッシュシートを張り付けていきます。
メッシュシートは道具や人の転落防止の為と、塗料の飛散防止の為に必要です。
屋根の塗装工事がある場合は屋根まわりにブルーシートを張って、汚れ水の飛び散りを防ぎます。
・メッシュシートやブルーシートを綺麗に張り付け出来たら高圧洗浄開始です。
高圧洗浄で洗う事により、屋根の汚れやコケやカビ・洋瓦の場合だとスラリー層・外壁のチョーキング・付帯物(樋等)の汚れ等を高圧の水で除去して、正常に塗装が出来る状況を作ります。
軒樋の中の汚れやコケなども洗い落し、詰まりを解消します。外部に面しているサッシやガラス・網戸等も洗浄を行い、キレイにします。
また、土間や基礎などのコンクリート部分や玄関のタイル部分の汚れ等も高圧洗浄によりキレイにします。
窓やコンクリート部分がキレイになるだけでお家がかなり明るくなりますよ。
■養生作業
塗装しない部分(サッシや玄関戸、土間等)を汚さない様に養生していきます。
屋根や樋等、後で塗装する部分も余計な塗料を付けない様にこの時養生しておきます。
玄関周辺等をキレイに養生出来ると出来ないではかなり印象が違って見えます。(と自分は思ってます。)
塗装作業が終わるまでは必要なので、時期によってはエアコンや大きな窓の養生を外して帰ったりの配慮は必要です。
どこの窓を開けておくかはお客さんと相談して決めます。
■外壁塗装作業
・場合によっては屋根から塗装する場合もありますが、外壁から作業をする場合が多いのでこちらを先に書きます。
外壁の塗装作業をしていきます。
可塑剤の処理が必要な場合は『逆プライマー』『シープラ』等のブリードオフプライマーを先に塗っておきます。
外壁の塗装作業は外壁の種類や塗料の種類によって異なってきます。
ローラー塗装工事か吹付け塗装工事かによっても作業工程が異なります。
いずれにしてもその住宅にあわせて工事を進めていきます。
例:微弾性フィラー地塗り→微弾性フィラー模様付け→中塗り→上塗り
浸透性シーラー下塗り→中塗り→上塗り
特定下塗り塗料塗装→吹付け一回目→吹付け二回目 等々・・・
これもあくまで一例なので、住宅に合わせて色々な作業工程があります。
■屋根塗装
屋根の塗装作業をしていきます。
瓦の種類や状態によって、使う材料・作業工程が変わります。
特に洋瓦(モニエル・パラマウント・スカンジア)などの、スラリー層(粘土層)がある瓦は注意が必要です。
上に書いた乾式コンクリート瓦と呼ばれる瓦、商品名ではモニエル瓦やパラマウント等があります。
この瓦にはスラリー層という着色された粘土の層があるんですが、このスラリー層をキチンと処理出来ていないとクレームの原因になります。
劣化したスラリー層は非常にもろい状態になっています。粉状になった粘土みたいな感じです。
高圧洗浄で洗い流していくと、ヘドロの様になりながら落ちていくんですが、この時の洗いが不十分だとその後「めくれ」や「はがれ」の原因になります。
洗った瓦を軍手で擦っても軍手に色がつかない所まで徹底して洗浄が必要です。
この洗浄がこの後のほぼ全てを左右します。
一応モニエル社推奨塗料が3社あります。(施工金額の観点から使えるのは1社)
が、経験上キッチリと高圧洗浄をしていれば推奨塗料以外の塗料を塗ったからといって剥がれてはきません。
逆に高圧洗浄がキッチリ出来てなければ推奨塗料を使った所で間違いなく剥がれてきます。
しっかりと高圧洗浄を行い、浸透性のプライマーを塗って施工すれば大丈夫です。
下塗りとして浸透性のプライマーでスラリー層を固め、中・上塗りで保護していきます。
この時の中・上塗りは溶剤系で行うのが良いと思います。
水系塗料だと劣化の仕方や造膜した感じが洋瓦には向かない感じがします。
他の瓦はその状態に合わせて塗料や施工を変えていきます。
■養生外し・メッシュ外し
外壁の塗装が完了したら窓や配管など、必要ない所の養生を外します。
窓の養生は極力早く外したいですね。養生が外れると凄くすっきりします。
また、メッシュシートには埃が付いているので、不必要な場合は付帯塗装工事の前に外します。
外壁が仕上がり、養生・メッシュシートが取れると家の全体像が見えてきます。
工事完了まであと少し(^-^)
■付帯物塗装
樋や鼻隠し、シャッターボックス・庇など、付帯物を塗装していきます。
塩ビ鋼板などの部材が使われている場合など、可塑剤が出てくる箇所には可塑剤を止める為にブリードオフプライマーを塗装します。(スズカ:リフノン等)
付帯物と屋根は一番に目がいく所なので、出来るだけ高耐候性の塗料で仕上げるのが良いと思います。
この時の付帯物の仕上がりが全体の仕上がりに大きく影響するのでここは腕の見せ所ですね。
まだ、玄関ドアの塗装はお家の方が在宅の時しか作業出来ないので、お家の方と時間の調整をしながら作業します。
通常の玄関ドアなら半日あれば作業は完了します。しかし、強溶剤系の塗料で仕上げる為に強いシンナー臭がします。ご了承ください。
強溶剤系仕上がりは抜群なんですけど臭いの問題がありますね。仕上がりも最高で臭いの少ない塗料が出ればいいんですが。。
■防水工事
バルコニー等の防水工事が必要なお宅は付帯工事の後防水工事を行います。
もともとの防水の種類により必要な作業が変わってきます。
シート防水・FRP防水・ウレタン防水など様々ですが、見た目や音、弾力性で防水のタイプを判断します。
■ダメ詰め・掃除
仕上がった屋根・外壁・付帯物をチェックして、忘れや悪いところが無いか見ていきます。
この時見つけた外壁や付帯物の悪い所を補修していきます。
同時にサッシ等のチリ際のラインをキレイに出していきます。アルミ部分等に塗料がついている場合はシンナー等でキレイに清掃していきます。
キレイにラインが出ていると家自体もすっきりして見えるようになってきます。
また、エアコンのカバーも傷んでいる様なら巻き直し、押さえ部品も悪いようなら交換していきます。
■足場解体工事・復旧
不要になった足場を撤去してもらいます。
その後、もし下屋部分に足場の当たりがあって塗れない部分が残っている場合は後日復旧の時に直します。
事前準備の時に取り外したアクリル板・波板・足元等にあった物を元に戻します。
波板は劣化していて交換が必要なケースが多いので、交換して新しい物を取り付けます。
波板自体は意外に安いし、交換すると非常にキレイになります。
材料代と少しばかりの手間賃で新しい物と交換しますので、この際交換されてはどうでしょうか。
■請求書・お家の塗りかえ記録・ご近所挨拶
工事が無事完了したら『請求書』と『お家の塗りかえ記録』をお渡しに伺います。
・お家の塗りかえ記録とは『お家の診断書』とセットで保管しておいてもらう書類です。
お家のビフォーアフターがわかります。
詳しくは今回の塗替えで使った塗料・塗装の仕様と施工内容などを書いてあります。、自分のお宅がどういう風に工事が進んだかが分かりやすいと思います。
工事中ご迷惑をお掛けしたご近所の方々にも挨拶して回ります。
工事完了後、依頼者の方自身もご近所の方々に挨拶して頂けるとより良いと思われます。
■工事完了です。
長文になりましたがこれで工事完了です。
後はお家に「不具合かな?」や「配管の位置が変わって塗ってない箇所が出てきた」等がありましたらご連絡下さい。
キチンとしている塗装店ならどの塗装店でも無料でアフターサービスに伺います。
文章力が乏しいので読みにくかったと思いますが、工事の流れが分かって頂けたでしょうか。
柄にもなく固い文章になってしまいましたが、案外工事が始まるとスムーズに工事は終わります。
実は信頼出来る塗装店を見つけている時点で工事は完了したようなものです。
後はその塗装店に全てお任せされてはどうでしょうか。