S様邸施工内容

愛媛県西条市•新居浜市の屋根塗装•外壁塗装専門店の本田塗装です。

こちらのお客様は、自分が中学生の時からお世話になっている方からご紹介頂きまして、この度ご依頼頂きました。

では早速施工内容へ進みたいと思います。

施工前

住宅構造と外装材の仕様です。

住宅構造︰軽量鉄骨造
屋根材︰薄型スレート瓦
外壁材︰窯業系サイディングボード

こちらはハウスメーカーのパナホームで建てられたお家になります。
築25年は経過しており、今回初めてのメンテナンスでした。

ハネ出しのバルコニーがかなり腐食しており、塗装不可能の状態です。
築25年以上経過しているとの事でしたので、他の部分の腐食も心配しましたが、外壁の腐食はバルコニー部分のみでした。

バルコニー内部・床面

経年による劣化と、雨水による腐食が激しく発生しています。
床面の化粧シートの接着剤が剥がれてしまっていますので、下地まで雨水が浸入し、かなり軟弱な状態です。

アルミ手摺と床面の間の立ち上がりに、サイディングボードが張られていますが、雨水の影響により腐食しています。

後から伺った話になりますが、このベランダ面材などの腐食部分、他の相見積もりの業者の方々には、交換せずにそのまま塗りますと言われたそうです。

確かに修繕に目をつぶれば安いですけどねー
依頼を取る為にはそういう考えもあるのかも知れませんが、それに不信感を持たれたという事で、今回ご依頼頂いたという背景があります。

ベランダ修繕は最後に書きたいと思うので、まずは屋根の施工内容から始めたいと思います。

簡単にこちらのお家の屋根材の説明を・・・

※薄型化粧スレート瓦

セメントと繊維素材を混合して成形された屋根材(基材)の表面に、塗装仕上げされた商品です。
商品名では、カラーベストやコロニアル等が有名な屋根材です。
表面に塗装仕上げされていますので、経年と共に劣化します。

再塗装可能な屋根材ですが、屋根塗装した事により逆に雨漏りを発生させてしまうリスクがあります。
また、現在雨漏りが発生している場合、塗装で雨漏りを止める事は出来ません。
経年により、湿気等の原因で下地のコンパネが劣化している場合も、再塗装するメリットが極端に低くなりますので、注意が必要です。

以下施工内容です。

屋根の棟板金が経年により劣化していますので、ケレン・目荒らしを行います。

その後錆止め塗料を塗布
強溶剤の錆止め塗料を塗布します。

その後、高圧洗浄を行います。
屋根の程度にもよりますが、このお客様宅では、高圧洗浄機2台で半日程度洗浄に時間がかかりました。

洗浄後

割れや欠けなどもなく、経年の割に状態の良い屋根材でした。
昔の商品なので粘りがあって強いですね。

屋根の下塗りを行います。
透明の溶剤系浸透性シーラーです。

下塗り乾燥後、縁切り用部材のタスペーサーを取り付けます。
屋根の重なり部分の隙間を確保する部材ですが、屋根材に開きがない場合、これを取り付ける事で雨水を円滑に排出し、雨漏りを防ぐ効果があります。

たまに、良かれと思って屋根材の隙間にシーリングを詰めた業者の話も聞きますが、その場合は雨漏りするか、下地のコンパネを腐食させる結果になります。

タスペーサーは屋根面積1㎡に対して10個程度使用するので、100㎡の屋根だと大体1000個位必要です。

取り付け

タスペーサー取り付け後、屋根の上塗り1回目塗布

塗布後

同様の塗料で、上塗り2回目の塗布中・・・

完了です。
屋根材の痛みも思ったよりも少なく、綺麗に仕上がりました^^*

余談ですが、同時期に近所で地元では有名な大型塗装店が、屋根・外壁の塗り替えを行っていました。
降雨の次の日(こちらの屋根はびしょ濡れ)で朝一番から、飛散養生無しで屋根のシーラーを塗っていました。雨水で濡れているだろうに。

マジですか?

さて、気を取り直して、次は外壁塗装です。

外壁は窯業系サイディングボードです。
軽量鉄骨の為か、900ピッチで縦目地があり、胴差し下には横目地があり、かなりシーリングの量があります。

切り取り

シーリング撤去後は、小口の清掃もしっかり行います。

こちらのお家は、窓サッシ等にシーリングが露出していないタイプです。
今回は築年数的に、内部のシーリング等が劣化している・今後劣化する可能性がありますので、窓サッシ3方、貫通部3方、胴差し上部にもシーリングの施工を提案・施工させて頂きました。

テープ養生

専用プライマーの塗布

シーリング打ち込み

降雨の可能性も考え、内部に雨水が浸入しないように1面ずつ分けて施工を行いました。

使用材料はオートンサイディングシーラントです。
ノンブリードのウレタンシーリングで、柔軟性があり、アウトインターバルも長い上質なシーリング材料です。
外壁の施工色に合わせた色味を打ち込みました。

外壁に亀裂箇所がありましたので、綺麗に充填出来るよう、エポキシ樹脂を手圧注入します。

内部に洗浄水が入らないようになった後で、ようやく高圧洗浄です。

外壁養生後、専用シーラーを塗布します。

シリコンシーラント充填部分(塗料が密着しない部分)は脱脂後、専用の材料で処理を行います。

色々試しましたが、この材料が一番密着します。
剥がれず強力に引っ付いています。

シーラー塗布後

天井を塗装し、

外壁の上塗り1回目です。

上塗り1回目塗布後

乾燥後、上塗り2回目を行います。
元々艶消しのシリコン塗料を、塗布量を計算しながらタップリ塗布します。
カタログの塗布量を使用するには、かなりしっかり付ける必要がありますので大変です。
外壁や材料にもよりますが、希釈を5%以上すると塗布が2回では少ない場合が多いです。

次は付帯物ですね。
大分長文になってきました^^;

雨戸は外壁塗装の時に取り外し、作業台で研磨を行います。

全面スチールの雨戸で、雨戸内側の錆も気になるとの事でしたので、内部も研磨を行います。

裏面研磨前

研磨後

裏面にも錆止め塗料を塗布します。
裏面の折板部分は錆止め塗料のみの施工ですので、例え錆止めでも綺麗に仕上げます。

表面部分は、塗装ブースを作成し

低圧温風塗装機で錆止め塗料を吹き付けます。

翌日軽く研磨し、同様に低圧温風塗装機で、弱溶剤シリコン塗料を吹き付けて仕上げます。

吹き付け後

裏面の枠も違和感ない様に、仕上げます。

取り付け、完了です。

後は雨樋とか胴差しとか水切りとかですね。

しっかり目荒らしして、しっかり清掃して、材料を塗布していきます。
上塗り塗料は全て2回塗布します。
しっかり塗布すると持ちが全然違います^^*

塗り塗り♪

ストックハウスも塗り塗り♪

玄関ドアも吹き付けて仕上げました。

ピカピカに仕上がりました^^*

外壁とのバランスも綺麗に仕上がりました^^*

さて、ようやくベランダ工事の施工内容です。

まずは解体工事です。
今回の工事では大工さんとどのような納め方にするか打ち合わせを行い、作業をお願いしました。
アルミ手摺・笠木を取り外し、ベランダ面材と床の解体を行います。

予想はしてましたが、想像より雨水の影響を受けていました。
経年による雨水の影響も勿論ありますが、これはそもそもメーカーのこの納め方に問題があります。

画像が重複しますが、ベランダ内壁に施工された立ち上がりです。

雨掛かりの激しいこの部分に、吸水性のあるサイディングボードを施工しています。
そのボードに取り付けられた、雨水をせき止めてしまう水切り
これでは腐食しても当然という感じですね。

笠木内部の防水シートのジョイントから水が浸入しています。
防水シートに被りがない^^;

下地のコンパネも腐食していました。
化粧シートの張力のみで踏み抜かずに保たれていたようです。
危険な状態でした。

前回と同じ納め方では、同じ事の繰り返しになるという事が今の現状から判明していますので、今回の工事では仕様と納め方を変更します。

まずは腐食した下地を撤去し

新しく骨組みを作成し、

下地のコンパネを取り付けます。
これで防水下地は完成です。

今回の工事では、床面の防水を化粧シートからFRP防水へ変更し、ベランダ内壁の立ち上がりもFRPにします。

FRP防水層を作成し、トップコート塗布を塗布した後の状況です。

アルミ笠木内の防水には、継ぎ目の出ないブチルテープを張り付けます。

アルミ手摺・笠木を復旧し、部材内部に雨水が浸入しないようにシーリングを打ち込ました。

その後、シリコン塗料を塗布して完了です^^*

完成です♪

以上が施工内容となります。

お客様へ提出させて頂いた資料には、もう少し詳しく分かりやすく部位ごとにまとめさせて頂いていますが、施工事例ではこれで終わりにしたいと思います。

さて、今回の工事では、屋根・外壁の塗装作業も重要な作業でしたが、ベランダの腐食の改善が一番の工事でした。

傷んだ原因を考えて、どうすれば長持ちさせる事が出来るか、改善するにはどうするか。

ただ見た目だけ綺麗にするのではなく

どれだけそのお家に意味のある工事が出来るか

これが一番大切な事だと考えて工事を行わせて頂きました。

最後になりましたが、この度は、ご依頼頂きまして、誠にありがとうございました!

愛媛県西条市•新居浜市で屋根塗装•外壁塗装をお考えの方は、ぜひ本田塗装にご用命下さい。

この記事を書いた人